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治験入院終了~ロサンゼルス~

入院してから一週間ぶり、退院して外の空気に触れて思わずにやけてしまった。 こんなにも陽の光が気持ちの良いものなのか、と。 入院、と言っても体のどこかが悪いわけではなく治験の為。 初日は事前検診と同じような事をやって終わり、半日は暇だった。 二日目、幾らか分厚いシールを体にべたべた貼られた後に携帯式の心電図測定器を取り付けられた。取り付けてから49時間の間そいつと動きを共にしなければならないと言う。 ズボンのポケットにちょうど収まるくらいの大きさだったので、そこまで気になるものではなかった。 その晩、「明日は少し忙しいわね。」と、スケジュール表を見た看護婦が言った。 忙しいとはどういう事だろうか?と疑問に思ったが、まだ手を付けてなかった永遠のゼロを読むことにした。 そして三日目。忙しいと言う理由が良く分かった。 早朝6時頃、部屋のドアが開き看護師が心なしか速足で部屋に入って来た。 何かの作戦が開始されたかのように、彼は一言もしゃべらずてきぱきと何かを準備し始めた。 眠気まなこをこすっていると、左腕を出すように言われその通りにする。採血用の針をブスッと刺され、針の辺りを透明のテープで固定され試験管に血を抜かれた。 しばらくの間採血が多いので針とチューブを差したままにしておく為のものだった。 病人でもないのに病人になった気がした。 看護師は入れ替わり心電図を図り、血圧を測り体温を測っていく。 早朝から慌ただしく色々な事が進んでいく。 朝8時すぎ、二人の看護婦がやって来た。小さな小瓶と小さなクリスタルガイザーのボトルを持って。投薬時間は朝8時30分。その少し前にやって来た彼女たちは、ミ

念願の入所、治験始まる。~ロサンゼルス~

なかなか綺麗な病室である。 病室の入口と反対にある面はガラス窓が大きく取られていてずいぶんと明るい。 3台並んだベッドの真ん中は使われておらず、もう一人のおじさんと2人で部屋をシェアする事になった。 良く考えてみると入院なんて初めてだ。 新薬研究施設だから入院でなくて入所か? そう、念願の治験ボランティアに合格して今日から入所する事になったのである。 初回の治験に落選した後、その施設で別の治験の事前検診を受けた。 そこでの結果は良好だってけれど、医師の最終確認が取れていないという理由で合否を待たされていた。 またもや怪しい雲行きだなと察し、別の施設に電話をして近い日取りで受けられる治験の情報を聞く事にした。 1週間ほどの入院と3回の通院で3,000ドル弱がもらえると言う話だ。 とりあえずこの金額を稼ぐことが出来ればアメリカ滞在はマイナスになる事は無さそうだ。 先週末の電話で事前検診をお願いする事にしたのだが、それからがトントン拍子に事が進んだのだ。 16日、事前検診を受ける。 17日、留守番電話に連絡が入るが、先方が営業時間外だったので返信できず。 18日、午前に連絡が取れる。血糖値と肝臓の数値が高めなので、血液検査をもう一度お願いされる。 19日、午前中に再度血液検査。数時間後に電話連絡があって、血液検査をクリアしたので21日から入所との事。 21日、本日午前に入所して出されたお昼ご飯を食べウトウトしてしまった所。 と言った具合なのである。 3度目の正直って奴だろうか。 少しばかりホッとした所である。 最初に応募した施設はどうやら評判がよろしくないようだが、今回入る事の

二度目のスクリーニングとロングビーチ~ロサンゼルス~

翼の先端に灯された赤と緑のナビゲーションライトを見ているとメキシコの国旗を思い出す。 空港が比較的近いせいか、宿の玄関先の喫煙スペースで夜空を見ていると沢山の飛行機が通り過ぎていくのが見える。 物価の安さや出会った人々の温かさを考えるとメキシコが恋しくなってしまう。また会いたいと思う人も居るから余計にそう思うのか。 前回の治験に落選してしまったので、別の治験の事前検診へ行ってきた。 日本語の通訳のもと同意書にサインをし検診が始まるのだが、まずは身長・体重の測定だ。 今宿泊している浜田宿は美味しいお米が食べ放題なのでつい食べ過ぎてしまったようだ。前回の検診よりも体重が増えていた。 血圧と体温を計り、次に心電図を計る。心電図に異常がなければ医師の問診がある。事前の問診票でも答えたような内容を口頭で再度答える。医師にこの間も会ったよね?と言われてちょっと恥ずかしい気もしてしまった。 その後かなりの時間を待たされて採尿と採血。前日の晩に絶食していたのと、デトックスを考えて大量の水を飲んでいたので小便はほとんど透明だった。 4本の小さい瓶に血を抜き取られて事前検診は終了。 お菓子とリンゴジュースを貰って施設を後にした。ずいぶん昔に日本で行った事のある献血の事を思い出した。 最寄りの駅まで車で送ってもらい、その足で煙草屋に向かう。検査の為に数日前から禁煙をしていたので、無事に検査が終わったご褒美に一服つけたかった。 久しぶりに吸い込んだ煙草の煙のせいでクラクラしてしまう。千鳥足みたいな感じでマクドナルドへコーヒーを買いに行った。コーヒーと煙草の組み合わせはなかなか止められないものだ。 施設

治験落選のお知らせ~ロサンゼルス~

何とも不思議なメールがやってきた。 「スクリーニング検査(事前の健康診断)の結果は良好でしたが、定員が満たされた為にチェックイン(入院)出来ません。」 そう、一獲千金を狙ってアメリカにやって来た治験のボランティアに落選してしまったのである。 メキシコに居る間、3週間も前から検査に受かるべく色々な節制をしてきたのに不可解な結末である。 血液検査のためにカフェイン・アルコールなどを抜いて準備をしていた。 検査の数日前から煙草を止めたりもした。デトックスが進むようにと大量の水も飲んできた 一緒にメキシコからやって来た友人たちも同じ結果だった。 いつくるか分からない連絡を待っていたこの何週間の間、気が滅入ってしょうがなかった。 入るかも知れなかった8500ドルもの大金の使い道を考えること位しか楽しみもなかった。 まぁ終わってしまった事はしょうがない。 自分の体が検査を通るくらいの健康体だった事が分かったのが良かった事として、次に進もうではないか。 落選の知らせを聞いてすぐに治験の会社に電話をし、近いうちにある治験の話を確認して少しでも金になりそうなものに応募する事を伝えておいた。 また一から事前の健康診断を受けなければいけないのだけど、背に腹は抱えられない。それの結果次第で皿洗いでも引越し屋でもやって何かしらの金を稼がなくては。 アメリカ滞在が赤字になるのだけは避けたい。 けれど暗いニュースばかりでもない。 治験のボランティアの落選が決まった日の夕方、ロサンゼルスに暮らす日本人の友人とおよそ10年ぶりの再会をする事が出来たのだ。 彼女に宿のそばまで迎えに来たもらったのだが、彼女が変

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