中国~陽朔の一日~

2006年10月6日

レゲエバーの三階には、僕の泊まるドミトリーがあるのだが、連休中にここに泊まったお客さんは1組しかいない。しかも、一日で出て行った。やはり深夜まで鳴り響くバーの音楽に耐えられなかったのだろう。 


結局、泊まってるお客さんは僕しか居ない。だけど寝るときは満室なのである。悪ガキや北さん、バイトの女の子や男の達と寝起きしている事になるのだ。 



ドミトリーは従業員宿舎も兼ねている事によって、僕の生活スタイルも自ずと彼らと似たようなものになる。 



昼過ぎに起きて、目覚めのタバコを北さんと三階のベランダで、人々の往来を見下ろしながら楽しむ。 



北さんは店の掃除をし始め、ほかの少年達も店の開店の支度を始める。きっかり何時から開店です、という感じではない。適当に店が開き始める。悪ガキドラマーはみんなより遅れて目覚める。 



顔を洗って歯を磨いて、服を着る。1階へ降り、店の外に並んだテーブル席に座って、一日何をしようかと考える。次第に腹が減ってきて、近所の米粉(ミーフン)屋さんに出かける。 



この「米粉」というのは、米の粉で作ったうどんに近い麺の上に、落花生や薄っぺらのチャーシューを乗せ、自分でネギやにんにく、唐辛子等をトッピングし、だし汁をかけるというものだ。これが一杯2元(30~40円くらい)。 


目覚めの米粉も美味いし、飲んだ後の米粉もうまい。毎日のようにこの米粉を食べている。 



米粉を食べ、近所のスーパーに行き、1箱2元のタバコを買う。タバコ売り場の女の子も、最近は僕の買うタバコをすぐ出してくれるようになった。 



スーパーを出て街をぶらぶら。 



天秤を担いだ果物売りや、ボロボロになった二胡を弾き、いくらかの金を稼ぐ乞食。ボロをまとった空き缶拾いやペットボトル拾い。そんな人々を横目にメインストリートへ。 


通りに出て目に付いたのが、一人っ子政策の為、過保護に育てられ、無意味にデブな子供。親の身なりもしっかりしている。中国の他の地方から来た観光客のようだ。その脇を毎日同じ服を着たネイバーな少年達が走り抜ける。 


観光客の人の流れに疲れて、Y氏の彼女の働く洋服屋さんへ。商品の陳列に熱中してみたり、働く女の子達の写真を撮ったり。日も暮れ始め涼しくなってきて、店内に客さんが増えてくる。邪魔になりそうなので店を出てレゲエバーに戻る。 


バーに戻ると店の外にあるテーブル席で皆が夕飯を食べている。皆に「飯食おうぜ~。」と言われ、僕の分のご飯茶碗が運ばれてくる。青菜炒めやチンジャオロース。さらには八角の香りがたまらない豚の角煮。 



それらを食べ終えると、バーの夜の部の営業が始まる。始まっても大して客が来ないので、悪ガキや北さんと筆談を交えたおしゃべりが始まる。 




昆明に行く列車は寝台の席を取ったほうが良いとか、皆で将来の夢の話とか。ここのバーにはかわいい子来ないよねー、なんて皆でうなだれてみたり。30歳の僕と19歳の少年達で、言いたい事の半分くらいしか話せないのに、ずーっと一緒におしゃべり。 



気がつくと誰かが一本巻いていて、それをご馳走になる。最近はご馳走になってばかりだったので、昨日はビールを奢ってくれと頼まれてしまった。僕が買ってきたビールと悪ガキの巻いたジョイントで夜が更けていく。 




気がつけば夜中の3時。ほとんど開かない目をこすりながらみなで部屋に戻って眠りにつく。 



そんな愉快な共同生活も後数日。自分で決めた旅立ちの日なのに、あと数日でここを離れる気がしない。全ては自分次第の毎日。旅とは不思議なものだ。 



今日は中国の中秋節。 
日本で言う「中秋の名月」の祭日なのだろう。 
レゲエバーではフルムーンパーティーの準備が進んでいる。

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