ポルトガル~さようならナンシー~

2011年7月17日


サン・ビンセンテ岬に着いたあと、少し人気のない場所まで行った。


2ヶ月一緒に旅したママチャリ、ナンシー。


これで終わりだ。
リスボンまではバスで行くよ。


買った時は、誰かに売るかあげようと考えていた。
だけども最後はそんな気分でもなかった。


最果ての地で眠ってもらおう。


強い風と時化た海。
風が一瞬止むと、潮騒の音がはっきりと聞こえてくる.



僕は崖からナンシーを突き落とした。
あっという間に彼女は最果ての海にのみ込まれていった。




さようなら、ナンシー。



なんて事を走りながら考えてた。
特に辛い思いをしていた時は。



このクソママチャリ!
サン・ヴィセンテに着いたら捨ててやる!


って。



そんな事を想っていたからか、スポークは2度も折れ、盗まれそうにもなったんだろうか。





やたらに金と手間のかかる女、ナンシー。





そんなナンシーは今、長い船旅の途中。
僕よりもうんと長い時間をかけて、日本までの航海を楽しんでいるはずだ。



そう。
日本へ送ることにしたのだ。




サグレスの郵便局。
局員さんが英語を話したので、ここから日本に自転車を送ることはできるか?と聞いてみた。



長さ150センチ以下(3辺の合計だったか)、重さ20キロ以下なら大丈夫。



その自転車なら、車輪や出っぱった部品を外せば150センチ以下だろうし、重さも大丈夫だろう。


値段を聞くと、15キロなら103ユーロ。
船便なら思ったほど高くない。




よし。
ナンシーを日本に送ろう。
ぶっ壊れるかもしれないけれど、ナンシーが壊れるのには慣れた。




乞食のように段ボールを探した。
幸いな事に、でかい段ボールがあったのでそれを持ち帰って梱包することに。



車輪を外して、ハンドルも引っこ抜いた。
なる程、これが輪行というものかといい勉強になった。
車輪を外して、自転車バッグに入れたりして運ぶことを輪行というそうだ。



もっとも、僕の場合は段ボールで梱包したみすぼらしい姿だけれど。



壊れそうな部分はある程度のカバーをした。
部品を縛り付けたあと、バスに乗せる時に買った自動車用の巨大なカバーでくるんだ。
そして段ボールに入れて終了。入れるという包んだと言った方が正しいが。




TAXIでキャンプサイトから郵便局へ。
自転車をバスやタクシーに乗せるなんて今までは想像したこともなかったけれど。





ナンシーは17キロだった。
125ユーロだったか、送料は。



チャリンコ買えちゃう値段だけど。
ちゃんと届くか心配だけど。




ナンシーに相当惚れたんだな、俺。




そして僕はサグレスからバスを乗り継いでリスボンまでやってきた。



さぁ、あとは帰るだけだ。




でも、一つ心配事がある。


海外のサイトで予約したフライトがちゃんと取れているのか。
航空会社に電話をしてみたが、営業時間外。
そして土日を挟んでしまった。



取れてなかったら笑うしかないな。

サン・ビセンテ岬に沈む夕陽 防波堤のようにせり出しているのが岬

サグレスの街の港

ナンシーを送った郵便局

サグレスの街の素敵な屋根の建物

小さくて静かな街サグレス

梱包する直前のナンシー

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